建売住宅はやめておいたほうがいい

新築の建売のチラシってよくありますよね。

値下げしていたりするとお得感満載で、購入検討している人は気になります。

さらに商品券5000円もらえるとか聞くと、とりあえず行ってみたくなります。

そして見学すると、気に入ってしまい、営業の方が、同じものを注文住宅で建てたら

500万円は高くなると聞き、一気に買うモードに入ることも珍しくないようです。

確かに安くて、すぐに入居できて、間取り等も気に入ればすごく良いと思います。

しかし、本当に注文住宅と同じものなのでしょうか。

 

そもそもなぜ建売が安いのかについて考える必要があります。

大きく分けて3つ理由があります。

  • 部材をまとめて仕入れるので、材料費が安く済む。
  • 大きな土地を購入し、分割して売るので、1棟あたりの土地代が安く済む。
  • 工期を短くして、大工工事費を抑えている。

 

材料費については、そこまで大きな影響はないものと思います。

多くの建売は、もともと安い部材を使って、建てるので、建築総額が1000万円を切っていることも珍しくないです。その中の材料費となれば数百万円ですが,まとめて発注することでせいぜい100万円くらいです。

正直、施主がいない中で作るので、目に見えない材料は粗悪品を使っている可能性は多いにあります。この場合は,もっと材料費を下げている可能性はあります。

 

土地代については、大きな土地ほど坪単価が安くなります。例えば50坪と100坪の土地があれば、圧倒的に50坪の方が需要があります。よって坪20万円で1000万円で売れるとします。しかし、100坪を坪20万円で売ると、2000万円になり、多くの人が買えなくなります。よって業者が坪15万円で1500万円で買って、半分に分けて、坪50坪の土地を750万円で販売します。ここで注文よりも既に250万円安くできます。

もちろん諸経費や利益を差し引き900万円くらいで売るでしょうが。

それでも、個人で50坪買うより100万円安くできます。

最後に大工費ですが、かなり工期を短めにして安く大工に作らせる可能性が高いです。

こうなると、建築費を300万円くらい下げることができるかもしれません。

もちろん大工は、注文の時と同じ仕事はしません。というか時間がないので無理です。

本当は乾かしてから進める作業は湿った状態でせざるを得ないかもしれません。

釘の数を見えないところで減らすかもしれません。

断熱材の充填時に隙間があっても無視するかもしれません。

目に見えない、素人には分からない木の凹凸などを削らないかもしれません。

正直建ってしまえば、もう分からないです。買う人も分かりません。しかし、このような細かいところが、後々に大きな影響を及ぼします。

もしかしたら、断熱材の隙間があることで、内部結露が慢性的に発生し、木が腐り、最悪建て替えです。

また、計画より釘の本数が少ないことで耐震の弱点ができ、大きな地震の際に倒壊するかもしれません。

建築時から湿った木のせいで、室内にカビが発生し、健康被害につながるかもしれません。

 

家というのは人体と同じで、すべての箇所が健全でないと意味がないです。

 

極端な話、指先が化膿することで、感染症にかかり、死に至ることもあります。家も一部の断熱欠損から、家全体の倒壊につながることもあります。

安いには理由があります。高い場合は、ぼったくりと、適正価格があり、どっちか見極めることが難しいです。

安い場合は、間違いなくそれなりの家になります。

本当に良い家を安く提供することは不可能です。

良く自社生産で中間マージンがかからないから安く済むと言いますが、自社でやれば、結局余分な人件費等かかりますし、それを効率的にできたとしても微々たる価格低下です。しかも、ライバルより安ければ、それ以上値下げする必要もないので、少し安いくらいのところで値下げを抑えて、利益に充当するはずです。販売業者も営利を追求してますから。

一定数良いものを安く買うために努力している人がいますが、このような幸運に巡り合うのは運です。そこらじゅうに散らばっているわけではないです。

例えば、広告やネットに掲載されている価格や、多くの人が購入している価格があるなら、それは安いとは言えないです。

誰でも買える価格が安いならみんなが損をしてしまいます。

では、値下げした最後の1棟の建売はお得では?と思うかもしれませんが、これも大抵は適正価格か割高です。

よく安いと思って飛びつく方がいると思いますが、何と比較して安いのですか?もし、既に売れた隣の建売と比較しているなら、要注意です。なぜなら、その基準自体が危ないからです。

まず、見た目同じでも建売は別の大工に工事を依頼している例が多いです。

売れ残っている家が極端に雑な作りかもしれません。

服でいうと分かりやすいですが、見た目同じでも雑な縫い目の服は、何回か選択するとすぐにほつれたりします。家も同じです。つなぎ目に亀裂が入ったりします。

また、立地が大きく異なるかもしれません。隣家との関係や日当たり、窓から見える景色や敷地の形状などが異なれば全く違う家とみなしても良いでしょう。

そもそも既に売れた建売が相場より割高な可能性も十分にあります。

素人では無知な人も多いので、相場なんてわかっていないです。

そもそも相場より安い建売が売れ残っていること自体がおかしいです。買い取り業者というものがおりますので、相場より安ければ、そのような業者が買います。販売業者もまずはそのような業者に相談するでしょう。

もっと言えば、これだけ家が売れている時代に売れ残っているということは相当魅力がないとうことでしょう。プロの販売業者が売るのに苦戦する家を将来あなたが売ることになれば、さらに値下げを強いられるでしょう。そのぐらい価値のない家と理解しましょう。

とにかく安い建売を見つけたらかならず訳があります。