なぜ安い家はダメなのか

〇〇ホームの建売をよく見かけます。

金額も安く、値下げもよく行われております。

内容を見てみると、家の性能も良く、設備もそれなりのものが入っており、住宅に疎い人なら安いと思って飛びつきます。さて本当にお値打ちでしょうか。

見た目で判断できるものなら、安さで選んでいいです。って言いますけど、あまりないですよね。例えば、お菓子なんかは分かりやすいです。同じ商品なら仕入先が違うことで値段に差が生じますが、同じ品質です。このようなものは安いものを選べばよいです。

車も似ていますね。同じ工場で量産しておりますので、当たりはずれはありますけど、どの販売店で買っても同じ車が手に入ります。

しかし家は違います。ハウスメーカーとローコストメーカーが見た目全く同じ家を建てていても耐震性、断熱性等全く異なります。そして、この差が住み始めてから如実に顕れます。

家って服と似ていますが、99%が完璧でも、残り1%がダメならすべて台無しになります。

例えば、どんなにいい素材を使っていてデザインも完璧なTシャツも中央に穴があいていては、価値は0ですよね。使い物にならないからです。

家もこれとよく似ています。どんなにいい設備が入っており、見た目のデザインも完璧でも

目に見えない屋根付近に施工ミスで小さな穴が開いていれば、そこから雨水が侵入し、徐々に家は腐っていきます。この小さな穴は、購入時は気づきません。

どんなに完璧な家でも、基礎に小さなずれなどがあると、長い年月をかけて家は傾きます。

同様に地盤調査が完璧にできていないと、後々地盤沈下を招き、家は傾きます。

家というのは、99%完璧ではダメなんです。100%完璧が必要なんです。そして、この最後の1%の努力は目に見えない、素人では気づかない点ばかりです。そして、この1%を完璧にするには、かなりのコストと職人の熟練が必要です。

なので素人には、99%完璧なローコストも100%完璧な高い家も全く同じに見えます。

このことを知っている人は絶対にローコストを買いません。例え1000万円高くても、100%完璧な家を求めます。

例えば購入時に1000万円差があるとしましょう。

ローコストは、30年後に雨漏りが見つかり、修繕に500万円かかるとします。またこの雨漏りが原因で、木が痛み、シロアリを発生させていたとしましょう。正直、また500万円かけて、シロアリ駆除や被害箇所の修繕を行っても、この雨漏りが原因で家はぼろぼろなので、建て直したほうが早いです。

正直みんな築30年の家に1000万円かけるくらいなら、2000万円払って、もう一度ローコストを建てます。

では、30年ごとに2000万円かけて、家に住めば、60年で4000万円かかります。

もちろん建て替えでは、仮住まいや手数料などの費用が発生しますので、4500万円くらいはかかるでしょう。

では3000万円する高い家はどうでしょう。

完璧に作っているので、基本的な点検を行えば、60年問題なく使えるはずです。

メンテナンス費用が同様と考えれば、少なくとも建築にかかるお金は60年で3000万円で済みます。

結果1500万円安くなるのです。

実際の違いはこんなものではありません。

まず耐震性が格段に高いですので、万が一大きな地震が来ても、命を落とす可能性がぐっと下がります。

また断熱性、気密性が高いので、健康で快適に暮らせ、なお光熱費が削減できます。

住めば住むほど、エアコン代がかかるとなると、つけるのが億劫になりますし、我慢にもつながり、健康にも財布にも良くないです。

また防湿性も高く、窓性能も高く窓結露や壁内結露も抑えるので、家の中のすべてのものが長く使え、かびも発生せず、かびを食べるダニも発生しないので、健康や快適性に大きく貢献します。かびが家にはえると、体にも悪いし、においも不快です。

そしてかびがはえた家にある家財や衣服等も傷みが早いです。

カビは外壁にも影響を与え、見た目も汚らしい家になります。

初期費用を1000万円高くするだけで、一生住む家の環境が大きく変わります。

99%作るのに2000万円かかり、残りの1%に1000万円かかるなら、多くの人は99%でやめて、安く家を求めます。しかし、残りの1%をおろそかにすることで、後々大きな違いが出るのです。