室温と体感温度は一致しない!?エアコンでは解決しない暑さ寒さ!

早速ですが、人が暑い、寒いと感じる時に影響を与えるのは気温や室温だけではありません。

例を2つ挙げます。

たまにあるのが、4月なのに30度を超える日。気温は30度でも、梅雨時の28度の日よりもずっと過ごしやすいです。

理由はまさに湿度です。

湿度が低いと気温や室温が高くてもずっと快適になります。

最近の新築では、この事実に着目して、夏場は室温を下げることよりも湿度を下げることに注力した家が目立ちます。またエアコンも再熱除湿という機能が上位グレードでは標準となっており、室温を下げずに湿度だけ下げることがいかに快適かという事実に皆さんが気づいている訳です。

もう一つの例が、秋吉台などの鍾乳洞のような洞窟に真夏に入ると涼しく感じることです。これも不思議な現象だと思います。なぜなら、外気は同じで気温は変わらないはずなのに、洞窟に入るだけで、涼しく感じるのですから。

ここから分かることは、人間の体感温度は、室温や気温だけでなく、周りを囲う壁や天井などの温度にも影響を受けるということです。

単純な計算では、室温と壁、天井、床の平均温度の中間くらいの温度が体感温度となるようです。

例えば、室温が20度でも、もし壁などの平均温度が40度あれば、体感温度は30度になるということです。

室温30度、壁などの平均温度30度の部屋と体感温度は同じになる訳ですね。

真夏の夜などに起こる現象です。

室温は低くても、昼間の日射で壁や天井が熱くなっており、蒸し暑く感じる訳です。

築古の家では、壁などに断熱材がないので、昼間の日射熱がそのままダイレクトに壁などから伝わり、昼間の室温が高くなり不快になりますが、夜になると、壁などがすぐに冷やされて、夜風で快適な部屋になりますが、最近の断熱材が入った家だと、昼間の日射が壁に当たった際に断熱材がバリヤーをして、室内に熱が伝わらないため昼間は快適に過ごせますが、夜になると、断熱材が昼間に溜め込んだ熱をじわじわと室内に放出するため、エアコンをつけていても蒸し暑いと感じることが出てきます。

もちろんこの理由だけで、断熱材が不要ということには絶対ならないです。

無断熱の家は、真夏の昼間は基本エアコンの効きが悪くなり、光熱費が跳ね上がりますし、夜も室内の冷やした空気が壁などから室外に逃げるので、結論として断熱材が入っている方が光熱費も安く済みますし、快適であることは間違い無いです。

これらの例から明らかですが、体感温度に影響を与える要因は室温だけではなく、湿度と周りを囲う壁などの温度があるという訳ですね。後は風の流れも影響を与えます。これは扇風機がわかりやすい例なので明らかだと思います。

もし、夏の部屋を快適にしたいのでしたら、サーキュレーターや扇風機を併用するとかなり快適な空間にできます。

ここからは、夏と冬の部屋を安く快適に過ごす方法をお伝えします。

・夏

基本はエアコンで室温と湿度を下げてください。設定温度は27度程度で良いので、サーキュレーターなどを併用して、部屋の空気を対流させてください。

また、壁や天井の温度を下げる方法ですが、夏の日射はほぼ真上から降り注ぐため、ほとんどが屋根にぶつかります。ということは、大部分の熱気は2階天井から伝わってくるということになります。対策は一つで、屋根や天井の断熱材を厚くしてください。厚みが一定以上になると夜になっても熱気が伝わりません。

壁からの熱気が気になる場合は昼間や夕方に壁に水をかけると効果的です。熱くなった壁に水がかかると水が蒸発する時に気化熱と言って、熱を奪って蒸発するので壁を冷やすことができます。

最後に最も重要なことを伝えておきますが、窓からの日射対策はしっかりしてください。日中に一番室内に熱を伝えるのが窓なので、窓から日射が入っていれば室内は蒸し風呂になります。一番の対策は内窓をつけた上で、窓の外側に簾やアウターシェードをつけて日射を外側からブロックすることです。内窓は、費用が許す限り、冬場も活躍するのでお薦めです。

・冬

実は冬は夏よりもずっとシンプルで、天井、壁、床の断熱材を厚くし、窓を高性能にした上で、エアコンで室内を暖めるだけで良いです。乾燥すれば加湿器で湿度を上げましょう。

一番影響を与えるのが窓で、どんなに部屋をエアコンで温めても窓からの冷気で一瞬で冷やされてしまいます。

既存の家で窓の交換は大掛かりなリフォームとなり数百万円かかるので、内窓設置がおすすめです。内窓には毎年補助金があり、うまくやれば数十万円で家中の窓に最高性能の内窓を設置できます。

天井、床の断熱材強化も工務店などに依頼すれば意外と安くできる例もあります。

家中の断熱を強化した上で、省エネ性能の高いエアコンで、暖房するのが、最も快適かつ安く過ごせる方法です。