内窓の最大の欠点!冬の日射がなくなってしまう!

内窓設置の主目的は間違いなく光熱費削減と室温上昇だと思います。

まれに防音対策が理由の方もいらっしゃいますが、今回は光熱費削減の観点から

説明します。

我が家は数年前に内窓を設置しました。

内窓は本当にメリットが多く、家の断熱性を向上させたい方には是非お勧めしたい

リフォームとなります。

メリットはこちらを参照。

今回は、良いことばかりではない内窓の最大のデメリットをお伝えします。

ずばり、冬の日射が大幅に減ることです。

実際試してもらったら分かると思いますが、冬の日射ってめちゃくちゃ貴重で、1つの掃き出し窓から1時間当たりコタツ1台分の熱が得られると言われています。

※詳しくはこちら

我が家は南面に4つ大きな窓があるので、窓から受ける熱量は、1時間あたりコタツ4台分に相当します。正直晴天ならば、真冬でも日中エアコンを消しても室温20度をキープできます。

本当に室温15℃くらいから日射だけで22度近くまで上昇します。

これをエアコンでやろうとすると、150円くらいかかるので、晴れるだけで、150円節約できます。

では、南面すべての窓に内窓を設置したらどうなるでしょうか。

もし、南面の窓を全開にしたら、本当に直接日射が室内に入ってくるので、日射量は大幅に増えるのですが、これだと折角暖めた空気も外に漏れてしまうので、窓は閉めないといけません。これでも我が家は複層ガラスなので、LOWE複層よりはまだ日射が入ってきますが、以下の割合で日射は減ります。

窓解放時を100%としたときの日射の残量率

単板ガラス:88%

複層ガラス:79%

LOWE複層ガラス(日射取得型):64%

LOWE複層ガラス(日射遮蔽型):40%

我が家は外窓が 複層ガラス:79%で内窓が LOWE複層ガラス(日射取得型):64%

なので、内窓を閉めていると50%ぐらいまで日差しの量が軽減されます。

しかし、これは日射量であって、室内に入ってくる熱量は内窓によって相当減ってしまいます。熱量のデータは、ネットでも有益な情報がなく、我が家で実証するしか方法がないです。

何度か南面の内窓を閉めた状態と開けた状態で室温上昇を比較しましたが、

真冬の晴天時に室温が15度の時、内窓を開けた時と閉めた時で日没時の室温を

比較しました。

結果、

内窓全開:22度

内窓全閉:18度

結果としては、大幅に異なりました。体感としても、内窓を開けているときは本当に心地よい太陽光が入ってきて、ポカポカですが、閉めると日差しが入っているのに寒いです。全く違います。

熱量で言えば、内窓のせいで8割くらい減っている感覚です。

折角光熱費削減のために内窓を導入しているのに、日射を失うのは痛いので、晴れる日は朝一で南面の内窓を開けて、夕方内窓を閉めるという作業が必要になります。

実はこれがかなりストレスなんですよ。

何って、共働き世帯だと特にそうだと思うんですが、朝と夕方って一日の中で最も忙しい時間帯なんですよ。そんな時にわざわざ1、2階の内窓を開け閉めするんですから、相当なストレスです。こんなに日射量が変わると分かると、開けないともったいないので、忘れた日にはストレスになります。

要は天気によって、内窓の開け閉めを考えないといけなくなることが相当ストレスです。

地域にもよりますが、太平洋側で冬場に晴れが多い地域だと、むしろ南面は内窓を設置しない方がいいのではないかとさえ思います。

夏場の日射遮蔽のために内窓を提唱する人もいますが、夏場の日射遮蔽は、間違いなくアウターシェードやすだれや外付ブラインドで対応すべきです。どんなに内窓やカーテンで光を遮っても、熱が室内に入ってくるのであまり意味がないのです。

よくメーカーのHPに、内窓で~万円削減とか書いていますが、冬の日射量減少の影響は考慮できていないですね。

間違いなく内窓を南面に設置した方が良い家は、日本海側で冬に晴れが少ない場合や南面の日当たりが良くない場合です。どのような条件であれ、外窓がアルミの単板ガラスなら日射のプラスより熱損失のマイナスの方がはるかに大きいので、絶対つけたほうがいいです。

設置が微妙なのは、我が家のような場合です。外窓がアルミ樹脂複合の複層なので、そこそこ性能が良く、高性能な内窓をつけても劇的に断熱性が向上するわけではないです。そしてある程度冬場に日射があり、南面がフルに日射が入るくらい日当たりが良いので、毎日晴れの日はしっかり内窓を開けて日射を取らないと、光熱費削減効果や室温上昇効果がかなり軽減されてしまいます。

ちなみに稀にですが、外窓が樹脂のLOWEペアガラスなのに、内窓をつけようとしている人がいますが、断熱向上効果はかなり低いにも関わらず、日射減少の影響が大きいので、場合によっては、内窓をつけることで光熱費が上がる可能性もあります。

最近は内窓の知名度が上がって、補助金も充実していることから、内窓をつければ光熱費が下げられると期待して話を進める方が増えているようですが、絶対に光熱費が下がるというわけではないので、日射の観点も考えながら慎重に検討が必要です。

このようなネガティブな情報は、メーカーも施工業者も出してこないので、敢えて声高に述べさせていただきました。