住宅を購入するなら第一種換気が必須です!高断熱住宅の必要条件です!

そもそもが第一種換気って何か分かりますか。

 

住宅では主に第一種換気と第三種換気があります。

 

第三種は、ただの換気扇がトイレやキッチンなどの汚れた空気がある空間の壁に穴を空けて取り付けられており、そこから空気を排気します。そしてリビングなどの比較的綺麗な空気が求められる部屋に吸気用の穴が空いています。穴がそのまま空いていると虫などが入ってきますので実際はメッシュになっていたりして網戸のような作りになっていますが。お分かりだと思いますが、常に小窓を全開にしているのと同様ですので、真冬は冷気がもろに入ってきます。エアコンをつけているのに、同時に冷房をつけているような状態になり、ほとんどの人は給気口を閉めています。これでは換気ができないので本末転倒です。しかしよく考えてください。室内の空気というのは常にほぼ一定の量ありますし、万が一外より少なくなると、すごい力でどうにか外から空気が入ってこようとします。

 

気密が高いマンションの一室などでは良く起こりますが、給気口を閉めて、換気扇を回すと、ヒューと音を鳴らしながら窓や玄関から空気が入ってきます。結局どこかから外気が入ってくるので、同じことです。しかし換気扇も切ってしまうと内部に空気が滞留し、二酸化炭素濃度も上がりますし、匂いも気になりますし、冬場や梅雨時は特にそうですが、結露もひどくなりかびも発生します。家にも人にも最悪な環境です。

 

結局換気扇を回し、給気口も空けておくのがベストですが、空調とは逆の働きをするので、光熱費が高くなります。

 

そこで考えられたのが、第一種換気です。

 

第一種換気は計画換気システムとも呼ばれ、室内の見えない場所にダクトを伸ばし各部屋に通気口を設置します。

 

洗面所などの比較的淀んだ空気が集まるところに大きな排気及び吸気装置を設置し、機械の力で家中の空気を排気します。同時に吸気も行い、吸気した空気を各部屋に分岐したダクトに流し、各部屋に新鮮な空気を送ります。

 

第一種換気は排気も吸気も機械で行いますので、一定の割合で安定的に排気と吸気を行い、室内の空気を隅々まで新鮮な空気にします。

 

第三種は、トイレなどから排気して、遠くのリビングにある給気口から同じ量の空気が入ればいいのですが、実際はトイレの排気近くに隙間などがあれば、そこから空気が入ってきます。そして近場から入ってきた空気は、すぐに近くにある換気扇から排気されてしまいます。

 

ショートサーキットといいますが、トイレ付近で排気と吸気がグルグル繰り返され、リビングなどの居室の空気が交換されず、居住スペースの空気が淀む可能性が高いです。

 

ストローをイメージしてもらいたいと思いますが、全く穴が空いていないストローだと空気を吸い取ると、反対側の出口からすべて空気が入り、ストロー内を通って口まですべての空気がきます。家も換気扇と給気口以外に一切の隙間がなければ、給気口から入った空気がすべて換気扇から出ていき、家じゅうの空気が綺麗に交換されますが、もし、ストローに穴が空いていると、ストローの端から入ってきた空気は付近の穴からほぼすべて出ていきます。いつまでも口に空気が届かないので、口付近のストロー内の空気はいつまでも滞留します。家も一緒で穴が空いていれば、換気扇や給気口付近の空気は交換されますが、付近の空気ばかりが交換されて、家の真ん中らへんとかクローゼット内などの端の空気はほぼ一切交換されません。もちろん、常に湿気にさらされることになり、クローゼット内がかびたり、部屋の中に生活臭がしみ込んだりします。

 

これが1つの大きな違いですが,もう一つの最大の違いがあります。

 

それは、第一種換気は熱交換が容易である点です。もちろん第三種換気でもダクトを使ったり、特殊な装置で熱交換を行うこともありますが、これらは相当こだわった家づくりをしている例ですので今回は割愛します。

 

第一種の場合、排気と吸気を一か所で行えるため、その空気が行き来する場所に熱交換器を設置します。

 

この装置は、排気する空気に含まれる熱を確保して、吸気する空気が外から入ってきたときにその熱を混ぜて暖かい空気を室内に戻す方法です。

 

大体70~90%の熱を保持します。

 

例えば70%の熱を保持すると、現在の室温が20度で外気温が0度の場合、差分の温度の70%が戻ってくるので、外気温を取りこんだ時に14度を上乗せして、14度で室内に返すことができます。これが高性能の90%熱交換をする機械になると18度戻ってくるので、体感で言えば、ほぼ同じ温度の空気が室内に戻ってきます。14度でも真冬ならばだいぶ暖かいです。

 

熱交換ができない第三種換気だと20度の室温の空気を外に出して、0度の空気を入れることになるので、室内が寒くなります。

 

0度の空気というのは冷蔵庫並みですので、給気口付近は凍えるような状況になります。

 

エアコンで暖めても、暖めた熱を外に捨てていることになるので、すごくもったいないですし、エアコンも設定温度に中々近づかなくなりますので、電気代がかかります。

 

例え家を高気密高断熱にしても、換気で熱が逃げていると意味がないですよね。

 

一般的な現在の建売の性能ならば、冬は窓から熱が40%逃げて、壁など窓以外から40%逃げて、残りの20%は換気によるものです。もちろん第一種換気にしたからと言って0にはできませんが、20%の7割を減らせば5%程度にできます。

 

窓や壁の断熱向上もすべきなのですが、第一種換気は取り付ければ、基本24時間つけっぱなしにすれば良いですし、金額も数十万円上乗せで対応が可能です。

 

30年以上住むことを考えたら、快適性や電気代の削減、家や人の健康に重きをおけばかなりコスパが良いです。

 

実は第一種換気の隠されたメリットとして、湿度のコントロールもあります。

 

第三種だと、室内の湿気も外に出し、外からカラカラに乾いた空気が室内に入ってきます。部屋が乾燥するんですね。加湿器代金や加湿代も余分にかかりますし、手間も多いです。

 

もちろん夏は全く逆のことがおき、外からジメジメした空気が入ってきて室内がジメジメになります。これだと除湿に余分な電気代がかかりますね。

 

最後に第三種換気のデメリットですが、メンテナンス代と機械自体の電気代がかかることです。

 

私の家を例に話しますが、原則10年に一回フィルターと熱交換器を交換しています。

 

10年で1階、2階の2台併せて2万円でした。

 

そして凡そ20年に一度機械の交換が必要です。2台で5万円ほどです。

 

メンテナンス費用は20年で9万円程度ですね。年間4500円になるのでこちらは安いと思います。

 

また3か月に1度フィルター清掃がいりますが、第三種換気より少し時間がかかります。

 

次に機械の電気代ですが、月間で30キロワットくらいはかかるようです。年間で360キロワットなので、高めに見積もってキロ30円とすると1万円位電気代がかかります。

 

両者合わせて年間15000円位は維持費がかかると思っておいてください。

 

しかしながら第三種換気でも5000円位はかかりますし、差額の1万円以上にメリットがあると感じる方がほとんどです。

 

特に冬場の暖房代だけで、1万円以上の差額が余裕で出ますし、夏の光熱費削減及び空気の清浄化や湿度コントロールの観点から、選べるなら間違いなくつけたほうがいいです。

 

あとは第三種を利用している方へ是非伝えておきたいのですが、間違っても24時間換気の電源を止めたり、吸気口を閉じないようにしてください。

 

確かに真冬はエアコンの効率も悪くなりますが、特に暖房をしている真冬は室内に湿気が充満することになり、かびの原因になったり、目には見えないですが、換気をしないと室内の二酸化炭素濃度が上昇し、健康被害の心配もあります。

 

特に新築の方は、新築の建材から出る化学物質を常に充満させることになり、ハウスシック症候群という病気を発症する可能性があるため、暖房費がかかること、体感として寒いことは我慢して、常に換気をするようにしてください。