学歴不要

子供を持つ親として,大学院まで進んだ自分の経験も踏まえて教育については思うことが多々あります。
今の子供たちを見ていると、幼少期から両親が共働きのため、保育園に早朝から夕方まで預けられ、小学生になると学童に夕方まで預けられ、中学生以降になると夕方は塾や部活漬、大学に入ったあとは、それまでのストレスのためか漫画やゲームやパチンコなどに没頭し、全く勉強しなくなるか、社会へ出ることへの悩みを抱えて鬱になるか、どちらかの傾向が強くなっています。
うまく言えませんが、子供は株や投資信託などの投資商品ではありません。別に幼少期から多額のお金をかけて投資しても将来その子供が幸せになるわけではないです。小さいころに勉強ができても、将来それが役立つとは限りません。習い事を多くさせれば、他の子に比べ、できることは増えますが、それが本人の幸せにつながるとは思えません。本人の意思で始めたことなら楽しい思い出になるので、そこで学んだスキルが無駄にはなりませんが、好きでないことを学んでもその時は苦痛で、将来その能力が活かしきれなければ、なんの役にも立ちません。
その習い事に対して親が払った代金は、本人の幼少期の貴重な時間を苦痛に変えただけなので、無駄になったどころか、マイナスです。
習い事をたくさんさせている親御さんにも色々考えがあるのでしょうが、それらを子供に与える意味についてはしっかり考えられているのでしょうか。
漠然と将来お金を稼げる仕事についてもらうためでしょうか。子供はロボットではありません。価値観も多様です。
お金を稼げる仕事=長時間労働で身体的、精神的に負荷の高い仕事が多いので、本人が望まない可能性は高いです。
そもそも、みんな年収気にしますが、普通に生きているとそんなにお金ってかかりません。毎日豪華な食事をして、大きな綺麗な家に住んで、外車に乗って、毎週のように飲みや外食三昧でしたら、いくらお金があっても足りませんが、自分の時間、体、精神的ストレスを犠牲にして、お金をたくさん稼ぎ、余暇に贅沢をすることで、稼いだお金を使い切る人生はどうなのでしょうか。もちろん、このような生き方が好きでやっているなら良いですが、大多数は違う気がします。
極端な例ならば、我慢して夫婦で沢山働いて、趣味もなく週末はダラダラ過ごし、お金だけたくさん貯めたまま、老後を迎え、使い切ることもなく、なくなれば、遺産として残ります。
まあ、子供、孫のためを思えば、遺産を残す価値はゼロではありませんが、若いころに、本当に自分が死んだ後の遺産を増やすために、働いていたのでしょうか?
もっと言えば、子供のころは、将来の遺産を増やすために勉強するのでしょうか。
もちろんお金のかかる趣味もたくさんありますが、お金がかからない趣味も山ほどあります。

絵を書くのも、多くのスポーツもお金はあまりかかりません。私は専ら筋トレや格闘技をしておりますが、初期投資に数万かかる程度で、維持費は月1000円程度です。
年間で多くても2万もかかりません。
子供のころは、一生涯自分の余暇を楽しめる趣味をたくさん見つけるべきですし、親が勉強するように誘導するものではありません。
人間不思議ですが、やる気になれば一気にできるようになります。
私の経験ですが、中学3年生までは、本当に勉強が嫌いで、最低限授業を適当にきいていたくらいで自宅学習もほとんどしておりません。
中学3年生になった時点で、英検5級に落ち、他の科目も中学1年の内容をぎりぎりなんとなく理解しているくらいでした。
中学3年生の頃、天文学に興味を持ち、天文学に関する本を読んでいると文章を理解する力、ケプラーの法則の説明など、数学や物理の理解が必要な箇所、英語による原文がもとになっているため、細かいことについて知るためには英語の理解が不可欠であることなどを身に染みて感じました。もちろん、天体は、化学物質でできているので、化学の理解も必要ですし、天文学は地学に関係しているので、地学の理解も必要だとおもいました。
そして天文学の歴史などを調べていると世界史と大きくかかわっていることもわかり、将来天文学を大学で学ぶには、今中学校で習っている5教科の理解が必要不可欠だと理解できました。
その後は、勉強も仕方など関係なく、とにかく机に向かって勉強しました。
本当に効率の良いやり方は塾に行かないといけないとか思う人も多いですが、実際、効率の良いやり方なんてないです。人によって違うので自分で見つけるしかないです。
私の場合、英語は中1、中2の教科書の最後にアルファベット順に単語がならんでいたので、それをひたすらノートに書きながら声を出して、読み方と意味を暗記しました。
さすがに全部暗記すると、文法が理解できていなくても、文章が多少読めます。そして、文章が読めてくると、文法がすごく簡単なパズルのようだと気づきました。主語がIならば、動詞にsはつかないとか、BE動詞と一般動詞それぞれにいくつかのルールがあるとか、へんな話、ゲームのRPGに良く似ています。
単語を覚えるのはレベルアップの作業に似ているし、それぞれのキャラクターによって使える魔法やアイテムの組み合わせによって、相手に与えるダメージに変化が生じたりと、細かいルールがありますが、面白いと感じると自然と覚えます。別に説明書なくても問題ないです。
結局子供ってすごく短期的にしか将来を見ていないので、目の前のことが将来どんな役に立つのかも考えないし、我慢して長く続けるというのは相当苦痛になります。親が長期間かけて、習慣づけてやらせれば、継続して勉強したり習い事をしたりして、本人の能力を伸びますが、誰かにやらされているという環境は本人も気づかないうちに相当ストレスを溜めております。
このような子は、多くにして将来ギャンブルにはまったり、飲み会にはまったりと浪費に走る例が多い気がします。
長くなりましたが、どのような子育てが良いでしょうか。教育とはいったいなんでしょう。
親の役割は、勉強を教えることではなく、勉強をやるモチベーション作りに力を入れるべきでしょう。

親が子供の勉強を教えれば、相当な時間もかかりますし、1人で勉強する習慣もつきません。
まずは、隠さずに大人の世界を教えてあげましょう。子供は知識はないですが、感性は大人と同じです。知識を与えながら色々世の中の仕組みを教えてあげれば、大人がいかに自分たち子どもと同じように生きているかを理解します。
多くの子供は、自分たちと大人が別世界で生きていると思っています。そして大人と同様の世界を知れば知るほど、色々考える機会が増えます。
その中で、やりたいことを勝手に見つけます。一生懸命やれる環境され準備してあげれば、無駄なことも含めて、努力を続けます。
このように自分でやりたいことを見つけ、一生懸命努力することを続けることで自分に自信をつけます。
人間は不思議なもので、一度自分で努力して何かを得る喜びを知れば、その行動を繰り返します。
このように子どもができるように環境作りをするのが親の教育です。