グランディア

正直,一番面白かったソフトが,セガ発売ではなく,プレステにも移植されたソフトというのは,少々残念ですが,歴代RPGで断トツNo1ではないでしょうか。
主人公のジャスティンのまっすぐさが大好きです。グラフィックは,ドラクエ7でも使われておりましたが,2Dと3Dの融合フィールドで,同時期に発売されたFF7と比べ3Dのレベルでは劣るが,サウンド,アニメーション,ストーリーでは,こちらに軍配が上がります。ほんとストーリーがいいですよね。世界の壁を越えることが冒険の当初の目的ですが,壁を越えた後に,本当の目的が生まれること,それまで意識しなかった様々な問題に直面していきジャスティンの気持ちが折れながらも,仲間に支えられ,大人になっていく展開は,人生の縮図のようで感動の連続です。なんか大学受験に向けて頑張る地方の高校生に似てますよね。希望する大学に受かれば,その先は花の大学生活が待っていると希望に満ち溢れて,日々希望を持って勉強する。そして目の前の日常は,つまらないが,入試という壁を越えれば,輝く世界が待っている。だが,いざ受かって,壁を越えてみると今以上の問題に満ち溢れた悩みの多い世界に入る。そこに入ると,今までいた世界が,井の中の蛙のように,いかに狭く,悩みの少ない世界であったか良く分かる。そこで挫折する人もいれば,その予想した未来と現実のギャップを受入れ,大人になっていくか,大学はそのような人生の2極化が起こる場所ですが,ジャスティンは壁を越えた後,さらに壮大な目的を持って,見事にエンディングまで進んでいきます。人間,壁を越えることを目標にしていたらダメですね。そのような方多いです。就職したら,~の資格が取りたい。年収いくらにしたい,貯金いくらにしたい等すべて目標を掲げて,それを越えれば幸せになれると思っている方多いです。それはゴールではなく幸せ生きるための一つの手段です。~を達成したら幸せになれるという構図は危ないです。特に,結婚はゴールではなく,幸せになるためのスタートもしくは手段です。結婚式を挙げることは目標ではありません。子供を産むことも一緒です。ここを目標とする方は,きっとその後が続きません。
私がグランディアで一番好きな場面は,フィーナと別れ,冒険の目的を失うところです。ジャスティンは,「俺はなんのために冒険をしていたんだろう」と自問自答し,ギドに雇ってくれという場面で涙が出てきますね。自分の無力さを痛感し,自分が目指していたことが自分にとって身分不相応な位に壮大だと感じ,大好きなフィーナからも優しさからでしょうが辛辣なことを言われ,もう冒険なんてどうでもいいや、雑用でいいから働かせてくれと懇願しているジャスティンの姿に涙が出てきます。そこで,ギドが商人の仕事をなめるなとはっきり断るところにギドのやさしさを感じます。ジャスティンは気づいていなかったのでしょうね。リーダーは孤独であること,リーダーの持つ目標は壮大であり,一人では絶対に達成できないことを。そこで後ろからすーがジャスティンに声をかけ,振り向くと仲間がみんな集まっているところが,感動のピークですね。ほんと仲間っていいなって思えます。そして冒険の意味が少しわかります。冒険の目的ってゴール目指したり,お宝見つけたりするんじゃなくて,いつも隣に目的もゴールもあるんだなって思います。
青い鳥の話に似ていますね。幸せや人生の目的って案外そばにあるのに,みんな気づかずに,遠くの目に見えないものに希望を抱いたりするんでしょうね。きっと目の前の幸せを認識するために壮大な世界を冒険する必要があるんですね。なんか矛盾しておりますが,冒険後に,故郷に戻ったジャスティンはエンディングの後に続くので,見ることができないですが,100周りくらい成長して,全く違った価値観で故郷を歩いていることでしょう。最高のパートナーと無事結婚し,子供も授かっているところがすごくハッピーエンドですね。ほんとストーリーが面白く,プレーヤーも一緒に成長できる大作だと思います。