【不都合な真実】内窓付けると既存の窓に結露発生!?先進的窓リノベ事業で内窓付ける人は要注意

我が家は、すべての窓に内窓を設置しました。

既存窓→アルミ樹脂複合サッシ(LowE,アルゴンガスなし)

内窓→LowE複合樹脂サッシ(アルゴンガスなし)

性能はダブルLowEトリプル樹脂サッシ(最高性能級)に近づく仕様です。

しかし、悲劇が訪れます。なんと、冬場に2階のすべての部屋の既存窓が結露まみれになったのです。

こんな感じで既存窓が結露まみれです。内窓付ける前は一切結露しなかったのです。決して性能の高い窓ではないですが、アルミ樹脂複合サッシならば、今時の建売の窓に近い性能となっております。最初内窓の施工不良だと思い、施工した業者に確認したところ、何も問題ないことが分かり、家を建てた住宅会社に聞いても、良い回答は得られずで、八方塞の状況でした。

確かに内窓を閉めると、冷気が入ってこないので、窓付近で寒さを感じることがなくなりました。暖房の効き具合も抜群に良くなりましたし、電気代も下がりました。

開け閉めが不便になることは承知のうえで付けましたが、まさか既存窓がこんなに結露するとは思ってもみなかったです。

滴り落ちるほどの結露ですので、放置しておくと、既存窓がカビまみれになります。毎朝5分かけて、すべての窓の結露を拭き取らなければならないのです。最悪です。

冬の間ずっとですよ?しかも一旦内窓開けて、片方の窓拭いて、内窓を動かして、反対側の窓拭いて、また内窓閉めるという作業をすべての窓で行うのです。急いでも5分はかかりますし、気持ちもよくありません。しかも拭いてもまた結露するので、家へのダメージが心配ですし、どうやったってカビが生えるので、健康被害も心配です。

私は賃貸時代に冬場、窓が結露することが本当にストレスで、窓にカビが生えて黒くなるのが本当に嫌いでした。持ち家になり、結露が一切なくなり、喜んだのもつかの間で、内窓をつけて、より快適な生活が実現するかと期待した矢先にこの仕打ちです。

金銭面で計算しても毎朝5分、1か月150分、冬の間3か月で450分=7.5時間もの時間をこの拭き掃除に捧げなければならないのです。仮に私の時給が2000円だとしても、15000円がこの作業のために飛んでいくわけです。時間価値半端ないです。

実際の光熱費の削減額が年間良くて20000円程度ですので、実際に得する金額は5000円になります。開閉の手間や窓ふきの手間、部屋が少し狭くなるデメリット等もあります。反対に室温が安定し、快適になるとの意見もありますが、冷房、暖房をしている時は、どのみち同じような室温になるので、光熱費の違いであらわれるくらいです。あとは、春、秋の夜間に内窓のせいで熱がこもって部屋が暑くなります。何より、この結露のせいで、家が傷むことが最大のデメリットかもしれません。

すべて勘案すると、果たして我が家に内窓を導入したのは正解だったのか疑問になってしまいます。

先進的窓リノベ事業では、非常に高性能な新築にお住まいの方でも、内窓が安く付けられるという文句に惹かれ、内窓をつけている方がたくさんいらっしゃるようです。

これは、事実として知っておいてもらいたいのですが、「内窓は断熱効果を高める」と巷でいわれておりますが、これが大きくあてはまるのは築古のアルミ単板ガラスを使っているおうちに限った話です。

今時のアルミ樹脂複合(LowE,アルゴンガス入り)のご家庭や樹脂サッシの窓に内窓つけても、大きな光熱費の削減は見込めません。

我が家は24時間365日ほぼ常にだれかが在宅しているため、エアコンなどもフルに使います。こんな我が家でも光熱費の削減効果はせいぜい2万円ていどです。

我が家より高性能な窓を使っていて、日中共働きなどで不在の時間が多い家の場合、結露が発生すれば、デメリットのほうが大きくなり、例え、タダで内窓をつけれたとしても全くメリットがないかもしれません。

最近はSNSなどで、内窓付けた窓と、既存窓のみの場合の温度比較などをやっている写真や動画がありますが、あまりに杜撰な比較が多く辟易としております。

よくあるのが、夏の窓の表面温度の比較で、内窓の場合は27度だけど、既存窓のみの場合は35度になっている。内窓つけただけで8度も差が出るなどのコメントと写真です。このような写真を投稿する方はだいたいが家の断熱性能にこだわりを持っているため、既存窓も高性能な場合が多いです。

普段内窓を閉めているときに、外から日差しが入ってくると、既存窓と内窓の間の空気層は相当暖められ、この空気に常時あたる既存窓の表面温度は相当高くなっています。

もしこの時に内窓を開けて、内窓表面と、既存窓の表面温度を比較すれば、8度くらいの差は容易に出ます。しかし、既存窓がある程度の性能であれば、開けた直後とかではなく、内窓導入前と導入後で内窓表面の温度と既存窓表面の温度を比較すれば、実は2度くらいしか変わりがないこともよくあります。

つまり、ある程度窓の性能の高い家になると、内窓を導入しても窓付近の温度に大きな変化はなく、劇的に居住環境を改善するわけでも、光熱費を大きく削減することもなく、冬場に既存窓が結露を起こし、家を傷めるリスクや結露拭きのために多くの時間を奪われるデメリットのほうが大きくなる可能性が高いのです。

先進的窓リノベ事業でどんなに安く内窓をつけても、日々のメリットよりデメリットのほうが大きくなれば、タダでもいらない代物になってしまいます。

では、結露しないように内窓を施工すれば良いではないか?と言われそうですが、もし、つける内窓が引き違い窓の場合、どんな施工をしても必ず隙間が空くので意味がないです。

既存の窓が結露する原因は内窓に隙間があり、その隙間から室内で暖められた湿気を含んだ空気が外窓にぶつかり、冷やされて結露するということです。

内窓に一切隙間がない施工をすれば、水分が既存窓付近に来ないので結露は発生しません。

既存窓の結露をなくすならば、暖房などをすべての部屋をしっかり暖めて、窓も暖めて結露しないようにするか、内窓の隙間を一切なくして、既存窓に空気が漏れないようにするかのどちらかしか方法はないです。後者の場合、引き違い窓は使えないので、大きい窓には使えない、もしくは使い勝手の悪い内開き窓か開閉ができ窓のどちらかになってしまいます。前者の場合、普段使っていない部屋も暖房する必要があるので、電気代が逆に高くなります。どちらにしても、ここまでするなら内窓をやめようかとなると思います。

政府は省エネ政策として、内窓の施工を後押ししていますが、逆効果のような気がします。先進的窓リノベ事業で内窓をつける方の多くは、既に高性能な家に住んでいる断熱意識の高い方々ですし、どんなに安く内窓をつけても損することのほうが多いと思います。

先進的窓リノベ事業で、内窓設置を検討している方は、まずはこれらの話を頭にいれておいて、本当に内窓を入れるメリットが大きいのか判断したうえで、内窓の設置に進んでください。