コロナショック

今回の金融危機は、リーマンやバブル崩壊とは全く性質が異なります。

経済には実体経済とマネー経済があります。

マネー経済は、実在しないものを多数の人間が取引するもので、不動産や株式なども実際のものを売買しているというよりは、不動産の所有権や株の所有権などを電子決済などを通じて売買しているので、実際に物流などが動いて何かのモノが行き来しているわけではないのです。バブルやリーマンはこのマネー経済を発端として起こりました。実際の経済活動とは乖離して、株式や不動産価格が跳ね上がっていて、景気が良くなったように感じて、人々が活動を活発化する。株式が上がって、持ち金が増えたと思うと、人は車を買ったり、外食を増やしたりします。これをみんながやることで、景気が良くなります。でも高い株価は、みんなが買っているために高くなっているだけで、実際にその株式会社がすごく成長して利益を沢山出しているわけではないのです。このように実際の株式会社の利益と株価に乖離が生じている状態がバブルです。この崩壊は、みんなが持ち金が減ったと思い、消費を減らして、実体経済に影響が来るわけですが、下限は分かっています。つまり株価が企業の利益にを反映した適正価格まで落ちれば、これ以上株価は落ちません。そこから回復する余地があるのです。

ではコロナショックはどうでしょう。

人が外出しなくなり、工場の生産がストップし、実体経済のポテンシャルが落ちています。つまり株式会社の利益そのものが0に向かっていっているわけです。それを反映した株価は下限知らずです。向かう先は0です。これが続くと実体経済ではモノ不足が生じます。インフラを支える建材や食品などが不足すると、人は働きたくても働けなくなります。みんなの収入は減るのに、物の値段はどんどん上がります。これをスタグフレーションといいます。デフレと違うのは、景気は悪いのに物の値段が上がることです。この不景気に終わりはありません。

これは、本当に恐ろしいことです。