資格も学歴もいらない!

その資格がなければ仕事ができない弁護士、医者等の資格以外は不要です。

何のために資格を取るのか今一度考えてみてください。あなたが趣味で取るなら好きにしてください。

もしくは、その資格を取れば、職場で昇給するなどの金銭的な理由があるなら、取ってください。

一番ダメなのは、なんとなく持っておくと便利と思い取得することです。

例えば、FPなどは、持っていてもほぼ役に立ちません。一部の保険相談員の人にとっては、重宝するかもしれませんが、それでもFPがあれば、保険相談員としてうまくいく保証は一切ないです。

むしろFP持っていない人のほうが金融リテラシーが高かったりします。

ここで一番伝えたいことは形を作ってから、型を考えるか、型を作ってから、それに沿った形を作っていくかの違いなんです。

前者はすごく創造力、つまり考える力を必要とします。どう形作るかを0から考えるわけですから。後者は、例えばFPの資格対策本を買って、出題範囲をひたすらに勉強していくことになります。

前者は、まず何をすれば良いのか考えることになるので、選択を誤ると大失敗を起こす可能性もございます。

例えば、金融の勉強をするにしてもFPの資格対策本なら、複利の仕組みや保険の役割などから各金融商品の特徴など、社会で役立つ知識を体系的学べ、分かりやすくまとめているので、書いてあることを覚えるだけで、必要な知識が身に付きます。

一見するとすごく効率が良いですし、知識をつけたうえで、資格まで取得できるなら自分の判断でやみくもに勉強するよりも絶対効果的なはずです。

しかし現実は違います。大抵このような知識は、知識をド素人にひけらかす時にはいいのかもしれないですが、現実では全く役に立ちません。このような対策本で得た知識は、与えられた情報をただ暗記しているだけなので、~ならば~になるという関係性を暗記しているだけで、例えば、~の条件が変更したときは?などと違う状況を聞かれると全く応用がきかないわけです。

自分で0から勉強している場合は、同じ知識をつけるにしても考えながら勉強しているので~ならば~になることの背景をしっかり理解しています。

分かりやすい例を出しましょう。

国債価格が上がると金利は下がります。国債価格が下がると金利は上がります。

日本企業の平均株式価格が上がると金利はどうなりますか?

さて、FPの勉強をしている人は、

国債価格が上がると金利は下がります。国債価格が下がると金利は上がります。」

をそのまま暗記しています。なぜそうなるのかを考えていません。それでは、少し応用した株式が絡むとお手上げなわけです。しかも株式価格と金利の関係は、国債金利の関係ほどシンプルではありません。むしろかなり複雑です。

まずは、国債の仕組みを理解しましょう。

色々な種類の国債がありますが,ここでは10年の満期が来たら100万円もらえる国債を想定します。

10年後に100万円もらえる国債をあなたはいくらで買いますか?

この国債は市場で取引されますので,市場が価格を決めます。

もし90万円で売ってたら、10年で10万円のプラスですよね?この場合、複利を無視して1年で1万円増えると仮定すると,金利1、1%位になります。

もし、95万円に値上げしたらどうでしょう。10年で5万円のプラスなので、1年で5000円です。金利は、0,5%位でしょうか。

国債の価格が上がると、金利が下がるのは、このような原理です。

そもそも理解できていない人も多いです。

ではなぜ国債価格が上がるのですか?それは、10年で10万円増える国債に魅力を感じる人が増えるからです。それは裏を返せば、他の同じ程度のリスクの投資では、金利1,1%ももらえないからみんなが国債を求めるのです。

ではいつまで国債の価格は上がるのですか?

市場の平均的な金利に近づくまで国債は売れて、売れるとみんながほしがるので需要が高まり価格が上がります。市場の平均金利が0.5%なら、そのくらいの金利になるくらいまで価格が上がります。

逆を言えば、市場金利が下がると国債価格が上がるのですが、市場金利に大きな影響を及ぼすものに国債があるのでまた複雑なのです。

しかし金利というのは、未来を予測している数字でもあるのです。

みんなが、1年後に大規模なインフレが起こり、物の価格が10倍になると多くの人が信じれば、みんながお金をもの購入に使います。

家電や車や家なども値上げしたらいやなので、今買ってしまうということです。こうなると、物が不足して本当に値上げします。そして銀行や債券市場や株式市場からお金がなくなり、ものの購入に充てられます。そうすると、銀行などは企業に貸すお金が減るので、金利を上げて融資します。企業も物が売れるので、今のうちに設備投資して、将来は大量のものが生産できて、売れれば、大儲けできると思い、金利が高くてもお金を借ります。

消費者も物を買うためにお金を使いたいので、金利が高くないと銀行に預けたり、債券が安くないと債券を買ったりしないわけです。

この流れで、市場はインフレと金利上昇が起こります。

実はこの状況って好景気になるんですよ。いっぱい物が売れているので、雇用もたくさん必要で、みなさんの給料も増えます。そして増えたお金でどんどん新しいものを買うので、経済も潤い、人々も幸せになります。

企業はどんどん利益を増やしているので、株式も売れます。お金はどんどん株式に流れます。

株式に流れる分、銀行の預金や債券市場へのお金の流れは少なくなります。

つまり株式価格は上がり、債券価格が下がるので、金利は上昇します。

 

先ほどの答えは、絶対的ではないですが、

「株式価格が上がると金利は上昇します。」

が正解です。

今の一連の流れは、FPの試験では出ません。でもそれでは全く意味のない知識になります。

このプロセスを理解していることが重要で、株式価格と金利の関係だけ覚えても意味がないです。

つまり株価が上がる時は、好景気な時が多いというわけです。

今の仮定は日本が鎖国していることを条件にしています。

もし、完全なグローバル経済になっているとどのようなことが続いて起こるでしょうか。

もちろんですが、金利が高くなるということは、外国人は日本の国債などを保有して高い利息を得ようとします。

そうすると外国人が円を求めます。つまり円高になります。

円高になると、外国から見ると日本の製品がすべて高くなります。

今あなたが10000ドル持っているとしましょう。

1ドル=100円ならば、100万円の車が買えます。

しかし、1ドル=50円に円高になると、50万円の車しか買えません。

円高・円安が分かりにくいのは、ドル基準の表記だからです。

円高=ドル安

円安=ドル高と理解してください。

今日まで100円で買えていた1ドルが、明日は50円で買えるようになったらどうですか?ドルが安くなってますよね。だからドル安で円高なんです。

ドルと円はシーソーの関係なので、片方が高いということはもう片方は安くなっているということです。

みんなが円をほしがると、円高になります。つまり海外の人は日本の物を買えなくなります。そうすると、企業の売り上げが下がり、高い金利で借りていたお金が返せなくなり、破綻する企業などが出てきます。徐々に失業者も増えてきて消費が落ち込みます。消費が落ち込むと在庫がだぶつき、企業の利益を圧迫します。工場などの設備は、急に小さくできないので無駄な維持費がかかります。それらを見て、今後利益が下がったり、倒産の可能性の高まる企業を株主は容赦なく見捨てて、株式は売り払われます。株価は下がり、日本全体の資産が減ります。今まで株式に振り分けられていたお金は行き場を失い、国債などに行きます。

国債価格が上昇し、金利が下がります。また消費者も将来が心配になり、買い控えかつ、預金に流れます。預金が増えると、銀行はお金を貸したくなるので、金利がどんどん下がります。ものも売れないのでどんどん値下げします。不景気でデフレ状態です。

金利も下がるし、株価も下がるとなると日本は投資対象として全く魅力がなくなるので、

外資や外国人投資家は円を売って、他の通貨に逃げる。

つまり円安になる。円安になると日本のものは外国から見たら安く買えるので、売れるので、好景気になる可能性がでてくる。そこからまた株価が上がり、金利が上がる。

これこそ景気循環である。

随分長くなったが、資格対策が無意味なことがお分かりだろうか。

極論簿記や英検などについてもすべて当てはまるが、実践力がつかないので時間がもったいないということだ。

先ほどの経済学の考え方のように、自分で順を追って、色々な現象を考察すると、自然にそれを理解するために必要な知識を書籍などを通じて身に付けていくことができるし、まずは自分で興味があることを掘り下げて学んでいくと、自然と次々に分からないことが増えていき、続けていくと全体像が見えてくる。学ぶということは先の見えない細い真っ暗なトンネルを手探りで掘り進め、決して終わりのない旅になるが、右へ左へ前へ後ろへ掘っていくと、いつか穴がつながり、大きな空洞ができたります。穴が理解した領域で、周りの土が

未知の領域だとすると、掘れば掘るほど穴の量は広がり、既に掘った穴とつながったときに全く別の領域のことだと思っていたことがつながることもある。そして線であった穴が平面になり立体になっていき体系だった知識となる。広い立体の空間からまた掘り進んでいくと立体は空間的な広がりをみせる。まるで球体が膨張していくように知識は幾何学的に増えていくのである。

しかしFPの試験のように与えられたテキストに沿って勉強することは,誰かが既に掘った穴を歩くようなものである。あなたの前に穴を掘る人がいて、あなたはその後ろをついていくだけである。どこに進むのかを考える必要もないし、楽であろう。しかしそれはあなたの穴でも、あなたの知識の空間でもない。誰かの知識空間にお邪魔しているだけである。

ひとたびその空間から追い出されれば、あなたの知識空間は何の穴もない空間になるか、

誰かに掘ってもらった知識空間をさまようだけです。

学校の勉強ができる子は、だれかの掘った穴についていく能力に長けている子が多いです。

たいてい自分で掘り進みたい子は先生の言うことを聞きませんし、学校の勉強はあまり頑張らない傾向が強いです。伸びるのは間違いなく後者です。

中学、高校と進んでいくと、学習すべき分野も多くなっていき、与えられた教科書ばかり読んでいる子よりも、様々な事に興味を持って自分で調べて学んできた子のほうが応用力があります。

先ほどの穴の件で言えば、学校の勉強をいくら完璧にしても、学習指導要領で学ぶべき内容以上のことは知ることができないので、既に学習指導要領が掘った穴をグルグル回って100%にする作業をするだけです。学習指導要領の作る穴を綺麗に整えるだけでは、いつまでも狭いところにいるだけです。