市街化調整区域が逆にお得な場合

先に言っておきますが、市街化調整区域の購入は原則デメリットが多いのでお勧めしておりません。詳しいことは以下の記事をご参照ください。


ではどんな場合でもデメリットしかないのかというとそうではありません!実はお得に購入できる場合も存在するのです。

具体的には以下の6点でお得なんです。

  • 相場より安く買える
  • 日当たりの良い場所が多い
  • 交通量や騒音が少ない
  • 空気がきれい
  • 人の目が気にならない
  • 固定資産税が安いかつ都市計画税がかからない

順番に解説していきましょう!

相場より安く買える

市街化調整区域の土地や建物に相場はありません。個別性がかなり高いため、市街化調整区域内でも、再建築が比較的容易にできる土地ならば、市街化区域の相場に近い価格になってきますし、再建築ができない土地ならば二束三文になります。基本的に再建築の予定があるなら、市街化調整区域はお勧めしません。お勧めは、仲介の不動産業者が購入前から、申請すれば許可が出て建築できる土地かつ、相場よりかなり安い土地を見つけた場合で、再建築なんかどうでもよいというのでしたらお得です。また、再建築不可の土地に建っている中古住宅を破格の値段で買える場合もかなりお得です。結局リフォームすれば新築並みに回復して、50年以上は暮らせますので、お若い方で家がほしいけど新築は予算が厳しいという方にはかなりお勧めの方法です。

日当たりの良い場所が多い

実は住宅において日当たりは一番重要と言っても過言ではないくらい重要です。周りに建物がほとんどないエリアが多いので日差しが良く入ってきます。一日中明るい家というのは気分が良くなりますし、照明代を節約できるので、長期で見ればかなりお得です。年間の光熱費の1~2割が照明代と言われるくらいにお金がかかる部分ですが、もし日中は不要になれば、かなりの節約になります。また冬は、暖かい日差しが窓から入ってくると、ぽかぽかでエアコンも不要になります。1つの窓からこたつ1台分の熱が入ってくると言われているので、毎日享受できれば冬は寒さ知らず、電気代もかなり節約できます。

※冬の日射による室温上昇の実験はこちら

※冬の日射の重要性はこちら

また日当たりが良いと湿気が溜まりにくいので、家が快適に長持ちします。

交通量や騒音が少ない

市街化調整区域は、お店や住宅も少ないので、人が少ないです。交通量も少ないので騒音もあまりなく閑静な土地になります。お子さんがおられる場合交通事故のリスクが減り安全ですし、夜間に家の前を大型トラックや電車が走り、騒音に悩まされることがないです。またお店がないため、若者が集めるようなこともないので、静かに快適に過ごすことができます。

空気がきれい

車の往来などが少ないので、排気ガスなどによる大気汚染の心配もないです。近隣に飲食店などあると、匂いなどが気になりますし、どうしても人が多いと空気が汚れます。市街化調整区域だと、人も少ないため、空気が汚れる要因が少なくなります。また畑などが多いため、自然の中で過ごすことができます。実は空気がきれいというのは、非常に重要なことで、人は24時間空気を吸うため、有害物質が浮遊していると将来病気になる可能性も高まりますし、体の弱い子供の場合喘息を発症したりする可能性も高まるので空気は綺麗に越したことはないです。

人の目が気にならない

市街化区域にあるほとんどの家は日中ずっとカーテンを閉めている家がほとんどです。狭い土地に密集して家が建っており、その間を道路は走っていることがほとんどなので、カーテンを開ければ、家の中を通行人や近所の家から見られるリスクがあり、日中の在宅中でもカーテンは開けることができないのですね。折角大きな窓があってもメリットは半減以下ですよね。光も入らなければ、冬の日射取得も期待できないので、電気代も高くつきます。さらに玄関を出入りするときも多くの方に見られてしますので、それだけでストレスです。誰しも他人に私生活を見られるのはいやなものです。その点、市街化調整区域だと、基本的に人通りは少なく、近所との家の感覚も広めな例が多いので、多くの家がカーテンを開いていたりしてのびのびと過ごしております。土地が安いので、庭も広めにとっていて、窓全開で、庭でBBQしたり、子供が庭で走り回ったりとかなりプライベートな時間を人目を気にせずに過ごすことができます。

固定資産税が安いかつ都市計画税がかからない

これから住宅を購入する方にとってはなじみが薄いかもしれませんが、固定資産税って本当に高いです。ざっくり新築だと10万~15万円くらいかかる例が多いです。

固定資産税は、土地と建物部分に分かれており、市街化調整区域だと、土地代が安いので土地における固定資産税が非常に安くなります。さらに市街化区域だと別途、都市計画税という税金を取られるのですが、市街化調整区域はなんと0円です。

固定資産税の算出方法は、土地の評価額×1.4%となっており、土地の評価額は実売価格の7割程度になる、かつほとんどの例で最後に軽減税率で6分の1になるので、もし市街化区域の1000万円の土地と市街化調整区域の500万円の土地で悩んだとしたら、

市街化区域の土地の評価額=1000万円×0.7=700万円

市街化区域の土地の固定資産税=700万円×1.4%÷6=16333円

市街化調整区域の土地の評価額=500万円×0.7=350万円

市街化区域の土地の固定資産税=350万円×1.4%÷6=8166円

となり、年間8167円の違いが生じます。

さらに都市計画税は土地評価額×0.3%なので、市街化区域の土地だけ別途3500円がかかることになります。

つまり、市街化調整区域にすれば毎年11666円も税金を節約できることになるのです。実は建物にかかる固定資産税は年々劣化に伴い下がっていくので、築古になっていくとほぼ土地の税金だけがかかるようになるのです。

年間でいえば11666円だけですが、50年払い続ければ60万円近くの違いとなります。維持費を節約する観点からも税金を安く抑えるメリットは大きいです。

 

以上6点のメリットを解説しました。

繰り返しになりますが、原則市街化調整区域の土地はデメリットが多いのでお勧めしません。しかし、一部の人にとって、メリットがデメリットを上回る場合や、どうしても気に入った土地や中古住宅が市街化調整区域の場合で、メリットが多く該当するなら手を出しても良いかと思います。