【価格と性能比較】新築住宅と中古住宅の違いを実例で紹介します!

住宅購入に当たり、皆さんの願いは間違いなく、できるだけ良い家を安く手に入れることだと思います。

この記事では、私の実体験をもとに、いかに注文住宅、新築建売及びリフォーム済中古住宅が割高かを説明し、築古の中古が安くても、いかに性能が低く、維持にお金がかかるのかを解説し、多くの方が実際に購入している新築、リフォーム済中古住宅、築古中古の欠点を赤裸々に説明し、お得かつ高性能の築浅中古住宅の買い方を説明します。

前提条件

1.私が本格的に比較したのは2019年時点ですので、価格が全体的に安くなっております  

  が、比較の意味では支障はありません。

2.同じエリアで検討しておりますので、坪単価が同じとなり、土地代はすべて同じなので、  

  建物代のみで比較します。

3.建物の広さは、34坪程度の家に限定します。

・注文住宅の見積結果

1.ハッピーライフなハウスメーカー

 ローコストで有名な大手ハウスメーカーです。ここの見積額は、地元の標準的な工務店とほぼ同じくらいでした。結果ですが、34坪建物価格、工事にかかる諸費用すべて、標準的な外構などの住み始めるために必要な経費をすべて織り込んだ支払見込総額は、2300万円でした。

住宅の断熱性能を示すUa値は0.56、耐震等級3相当です。

2.一〇工務店

 日本の戸建販売数ナンバー1とも言われるくらい大人気の住宅会社です。ここ数年で急速に人気が出ています。とにかく高性能な家づくりがコンセプトになっており、住宅性能は最高級です。支払見積総額は、4000万円でした。

住宅の断熱性能を示すUa値は0.25、耐震等級3です。

こちらの住宅では太陽光と蓄電池が標準で付いており、相当断熱性能が高いということで、1000万円程度は、他の標準的な住宅より維持費が安くなっています。実際は1000万円も節約できないと思いますが、他の住宅と比べ、設備などのグレードが高く、全館床暖房もついているので、そのへんも加味して実質1000万円値引きと考えます。そうなると支払見込総額を3000万円にできます。

3.建売住宅

 丁度検討エリアにハッピーライフな建売が出ていたので、良い比較ができました。しかも丁度34坪でした。販売価格は土地代を除いて、2000万円でした。ほぼ注文住宅とグレードが同じでしたので300万円程度安いです。

 住宅の断熱性能を示すUa値は0.60、耐震等級3相当です。

 注文よりも少し断熱性能が悪いです。

 注文と比べ、安い理由は、完成までに打合せ等の営業費がかからないこと、同時に複数棟建てることで部材や設備を一括発注して安くできるためです。同じグレードの家を安く買えるので一見お得に見えますが、最大のデメリットが隠れています。

 それは、建築時の大工が手抜きになりがちということです。大抵建売は、最安値、最短で工事をする大工に委託されますし、施主がいないので、監視の目がなく、気にせずに工事を進めることができます。

 やはり施主がいると、定期的に見に来ますし、建設途中で手抜きがばれると大問題になるので、大工も慎重に工事します。しかし、建売の場合、見に来るのは住宅メーカーの営業のみで、営業担当者は自分の家でないので、細かい部分に興味はなく、最低限の完成検査が通れば良く、とにかく工期ばかり気にして、早く完成させるように考えている人がほとんどです。

やはり、完成後の検査で欠陥が見つかったり、年数が経った時にトラブルを抱えるリスクが高いのは注文よりも建売です。

4.リフォーム済中古住宅

 多分住宅購入の中で最も損をする買い物だと思います。お得の観点で見れば、お得な物件はほぼ皆無だと思います。

 なぜならば、販売者はほぼ100%業者で、目に見える最低限のリフォームをして、たっぷりの利益を乗っけて販売することがほとんどだからです。

 実は、検討エリアで2件リフォーム済物件を見学したことがあります。たまたま珍しい例が2件続いて驚いていたのですが、どちらも初めは、個人がリフォーム無の現状渡しの中古物件として販売しており、掲載が終了していたので売れたと思っていたら半年後に、業者が再度リフォーム済として販売しておりました。

 リフォーム前の販売価格は、築21年と築27年の物件だったのですが、両方共土地代を除くと680万円と580万円でした。どちらも相場通りの価格でした。どちらも掲載から1週間程度で売れていたため、業者が購入したようです。確かにこのエリアは非常に人気のエリアで多くの中古住宅が相場よりも高めに取引されています。そんな中、相場通りの価格設定は安いと捉えられたのだと思います。

 半年後リフォームした物件の価格はそれぞれ1200万円と1090万円になっていました。

 単純に500万円程度上乗せです。

 リフォーム内容は、前者がクロス全交換、水回り全交換、玄関ドア交換のみです。後者は、さらに床にクッションフロアの上張りをしていました。もちろんですが、すべて素材は賃貸グレードの最低水準です。前者はざっくり200万円程度、後者はざっくり250万円程度といったところです。業者の利益が250~300万円程度は乗っかっています。

 どんなに表面をリフォームしても、耐震性能や断熱性能は建築時のままです。

 前者が、Ua値は0.87、耐震等級1です。後者に限っては、Ua値は1.3程度、耐震等級は新耐震基準となっています。今のローコストの最低水準の新築性能が1だとしたら、前者が0.7で後者が0.4ぐらいの実力です。それに、築年数分劣化しているので、その分家の寿命は既に縮まっています。

ここまで条件が悪いのに、新築建売とせいぜい800万円程度の違いしかありません。結局断熱性能が悪い分、光熱費が年間10万円程度高くなることが予想され、今後頑張って50年住み続けると考えれば500万円の違いになります。本当に条件が悪いです。

 

5.築古の中古住宅

 多分中古住宅市場で最も良く出回っているタイプだと思います。

 築古の定義が難しいですが、築30年以上と考えます。

 基本的に建物価値はほぼ0円ですが、住める状況であれば、300万円程度の価値で取引さ 

 れている印象です。

 傷みがひどい場合などは、解体費を土地値から差し引いた価格で古屋付の土地として販売している例もありますので、お得だという情報がネットでも盛んに言われています。

 確かに購入時点では金銭面でお得に見えますが、今後何十年も暮らすことを考えれば全くお得ではありません。

 もし購入者が、この築古住宅の土地が今後値上がりする土地だと予想しており、数年住んだ後は引っ越すもしくは建て直すつもりならば、お得かもしれませんが、大多数の方は、購入後長く住みたいと考えていると思いますので、お得ではないです。

 理由は以下の3つです。

 ・維持費がめちゃくちゃ高くつく

 ・長く住めない

 ・多くのリセールバリューが悪い

昔の住宅は、隙間だらけで断熱材も入っておらず、窓も最低性能のアルミサッシシングルガラスです。

外気温が0度になれば、室内も0度近くまで下がります。20度が最適温度だと20度も室温を上げる必要があるので、相当電気代がかかります。また、このような家は、室内の暖かい空気をすぐに外部に漏らすので、エアコンを消すと、数分で室温が急低下します。というか、相当容量の大きいエアコンでないと、室温を上げることは無理です。結局、寒い中こたつに入るか、ストーブに前しか暖かくできません。冬場室内を動けなくなるので、生活の質は最悪です。

さらに、古い家だとしょっちゅう設備や建物の故障が起きて、修繕費がかかります。

これらが嫌で、フルリフォームに近い断熱改修や設備更新を1000万円くらいかけて行う人もいますが、結局高くつきますし、どんなに頑張っても新築には敵いません。1000万円かける予算があれば、築浅の高性能な中古も手に入りますので、そちらを狙う方が賢いです。

しかもどんなにリフォームしても家の構造体の傷みは軽減できないので、耐用年数は大きくは向上しません。へんな話、1000万円かけたのに20年で、基礎がダメになって住めなくなる可能性もあります。

そして、中古住宅は築年数を基準に査定されるので、どんなにリフォームして新築並のグレードになっても、価格はさほど上がりません。例えば、300万円の家を1000万円かけてリフォームして5年住んだ後売却となれば、せいぜい500万円程度の売却になります。

これが、新築ローコスト1800万円の物件で、5年後に売却となれば、少なくとも1300万円程度にはなります。新築なら500万円の損失で済むところが、リフォームすると800万円の損失になります。

高性能な家は高すぎるし、安い家は性能面・維持費等で心配だし、例え新築でも性能が低いのは嫌だし、となれば、答えは1つになります。

「築浅の高性能住宅」です。

10年前の高性能住宅ならば、Ua値0.5程度、耐震等級3の物件も狙えます。

価格は1500万円程度で狙えます。

そして弱点である窓を100万円でリフォームして、天井や床に50万円かけて断熱材補強すれば、合計1650万円の費用でUa値0.35らへんを十分に狙えます。

今後50年は楽々暮らせますし、快適度は新築ローコストと比べても抜群に良いです。

一定以上の高性能な建具や設備になってくると、使用者のメンテ具合にもよりますが、本当に劣化しないです。

例えば、室内扉1つとっても、高性能な住宅ならば、1枚5万円の扉が使われ、ローコストだと1枚2万円の扉だとします。安い扉は20年もすれば傷んできて、買い替える必要が出てきますが、5万円の扉は30年経っても、ほぼ劣化が見られず、引き続き使えます。結局築10年で買った家と、新築で買った家の20年後の状態を見た時、前者は築30年の家、後者は築20年の家となりますが、実際に高性能な築30年と、ローコストの築20年を比べても、明らかにローコストの方が劣化しています。

そして、購入後の20年間も性能が高い方が、光熱費は安く済むし、地震が起きても安心ですし、あらゆる建具や設備が高性能なので快適な暮らしができます。

これは世の鉄則ですが、物の売買において双方が儲かる話はないです。物の売買は、その活動によって何も価値を生み出さないので、どちらかが儲かったということは、どちらかが損をしているかその他の誰かが損をしているのです。

では住宅で考えてみましょう。

もともと新築時に3000万円の価値の家を、住宅会社の利益を上乗せして4000万円で

売るとします。この時点で、購入者は1000万円損をして、住宅会社は1000万円利益を確定します。

この購入者が10年後に売却しようとしたら1500万円の価値しかないという事実に直面します。

ほとんどの売却者は住宅ローンの残債もあり、とても1500万円で売れないので、2500万円とかで売りにだします。もしここで、奇特な購入者が現れ、明らかに相場より高く2500万円で買ってもらえれば、売主は1000万円の利益、買主は1000万円の損失となります。

ここでの問題は、日本の中古住宅市場が異常に中古の価値を低く見積もっているので、どんな状況であれ、新築購入者は、住宅会社の利益分の損失と、最初の10年での急激な値下がり損の2つの損を抱えることになります。その損失は、多分家を高く売っても取り戻すことはできません。しいて言えば、その新築に賃貸で住んでいたと仮定して、建物部分だけで月10万円で暮らしていたと仮定すれば、10年間の仮想家賃の支払い総額は1200万円になるので、2800万円以上で売れれば、本当に儲けが出ます。実際、築10年の家が建物だけで2800万円はあり得ないので、絶対売れないですが。

逆に購入者は、住宅会社の利益は払わなくて良いですし、最初の急激な値下がりダメージを受けないので、相場通りで高性能住宅を買うことができれば、相当お得に購入できます。

極端な話、この住宅がノーメンテで30年使えるとして、新築購入者が築10年で、相場通り1500万円で売れたとすれば、4000万円→1500万円で2500万円の損失になります。毎年の経費は250万円になり、本当に大損です。

購入者は、1500万円で購入後、20年間は追加費用なしで、暮らし続け、築30年時点で取り壊したとしても、年間維持費75万円で暮らすことができます。全く維持費が違います。

しかも築30年時点で500万円のリフォーム費用を出せば、もう30年暮らせるとすれば、

50年を2000万円で暮らせるので、年間維持費を40万円に下げることができます。

家賃に直すと、3万円程度になるので、賃貸よりお得に、高性能な家に住み続けることができます。

家は一生に一度の買い物になる可能性が高いので、しっかり慎重に良質物件を見極めてください。