冬場に暑い部屋にいるのが苦手な方は高気密高断熱住宅は向いていません!

冬場に室内にいる時思うことがあるのですが、ある程度冷えている部屋でストーブに当たって、暖まるのが気持ちいいです。

さすがにぶるぶる震えるような室温ではなく、20度くらいの室温の部屋で少し厚着し、寒いと感じた時にヒーターなどで少し暖を取るくらいがちょうど心地いいです。そして、リビングが暖まっている時に、たまに廊下に出て少し涼むような感覚です。

私も色んな方と接することが多いですが、寒がりな方でなければ、大抵は、冬場にそこまでの暖かさは求めていません。

最近某工務店などが、超高気密高断熱住宅に、24時間全館床暖房などを導入したこともあって、世間では、高気密高断熱住宅かつ、冬場はヒートショック防止のために、24時間全館を半袖で過ごせるくらい暖かくできる住宅が正義のような風潮になっておりますが、これは非常に危険な考え方です。

ブログやSNSでも、冬場に22度でも寒い、25度くらいほしいなどの意見を平気で聞きますが、相当な寒がりか断熱性能アピールに聞こえてしまいます。

私は、冬場に室温が25度もあったら、暑くてほてってしまい、何も集中できませんし、気持ち悪くなって、外に出たくなります。

家じゅうが一定の室温で、ある程度高い室温を保っていると、私の場合は気持ち悪くなります。冬場は、気持ち少し寒いくらいの室温で、気持ち厚着して過ごすくらいがちょうどいいです。

そのような室温の中で適宜家事をしたり、運動したりしていると我慢なしで気持ちいいです。

真冬に24時間全館を床暖房で25度キープできる家は相当高性能だと思いますし、ヒートショック防止の観点からは良いと思いますが、価格は、購入時も維持費もべらぼうに高くなりますし、逆に健康に良くないのではと思います。

まず、購入費ですが、高気密高断熱住宅は、手間も材料費も半端ではないので、高くなります。また、常に24時間全館を暖房すれば、一般的に人がいる時間にいる部屋だけ暖房するよりも、家が高性能であっても高くなります。高性能だと安いと謳っているのは、同じことを昭和の家でやった場合と比較してということです。そもそも、古い家で24時間全館暖房をするような奇特な方はいないですから、高気密高断熱住宅を買う方の多くは騙されていると思います。要は必要ないけど高性能に惹かれて買っているのですね。家に限らず日本人はお得な買い物が大好きですから、いらない機能に多額のお金を払っている可能性があります。

スマホなんて最たる例ですが、日本では一番iphoneが売れていますが、ほとんどの方にとってiphoneは不要です。ネットサーフィンや動画視聴がメインならば、間違いなく2万円程度のスマホでも十分です。このような方もiphoneなら間違いないとかデザインが好きとかという理由で10万円のものを買うのですから、8万円損をしている可能性があります。確かに動作も早いですし、カメラ機能も良いですし、2万円のスマホより明らかに快適ですが、もったいないと思います。

家も一緒で、高気密高断熱住宅に住んで、冬は快適と思っていても、実際は共働きで平日はほとんど家にいないし、土日も出かけることが多いので、24時間全館暖房していてももったいないと思います。実際、ほとんどの家族がそうだと思いますが、子供が小さい内は特に、家族全員が寝る時以外はリビングに集まり、寝る時は家族全員で寝室に移動というケースが圧倒的に多いです。

例えば、4人家族で子供2人の場合、実際に子供部屋に子供が分散するのは中高の6年間くらいで、小学生のうちは、みんなリビング、寝室になり、大学生になれば家を出ていくということになれば、この6年間以外は、日中いる時だけリビングを暖房し、夜間は寝室だけ暖房しておけば十分ということです。洗面所やお風呂が寒いなら、日中いる時だけ1階全部を暖房でもいいんです。

実際私の家は、中古で購入し、内窓などである程度の高気密高断熱住宅にしておりますが、今時屋外からでもスマホでエアコンONにできますので、帰宅30分前にリビングエアコンをつけておけば、帰った時に暖かいです。寝る30分前に寝室の暖房をONにしておけば快適ですし、いない時間が多いので、その時間はエアコンOFFにしておけば、高気密高断熱住宅でなくても、今時の標準的な性能があれば十分安い光熱費で快適に生活できます。

私は、無駄なものにお金を使っているという感覚がすごく苦手で、家にいない時間に家じゅうを暖房していることにストレスを感じてしまいます。なので切っておきたいと思いますが、それをやると、標準的な性能の住宅と快適性の差が少なくなり、折角高いお金を出して良い家を買ったのに、それが無駄になると思い、それもストレスに感じてしまいます。

私は寒がりではなく暑がりで、冬の寒さはある程度我慢できます。さすがに10度などの寒い部屋に長時間いることは苦痛ですが、多少厚着して室温20℃程度の部屋にいるのが丁度心地よく感じます。23度くらいまで上がった方が快適だと思う日もありますが、正直20度で充分です。結局人がいる時間にいる部屋だけ20度を保つことなら、現在の新築はほぼすべて容易にエアコンで達成可能で、このような局所を家にいる時間だけ空調するような使い方であれば、高気密高断熱住宅でなく、標準的な住宅でもそこまで費用はかかりません。このような使用方法なら冬場全体で空調にかかる電気代は1万円程度増えるレベルです。標準的な新築で2万円、高気密高断熱住宅で1万円程度と考えると、冬場の節約効果は1万円程度、夏場はもっと差が出にくく、5千円程度の違いでしょうから、私のように、冬場は室温20℃程度で、いる部屋だけ、いる時間だけ暖房するような使い方なら、電気代はほとんど差がつかないのです。しかし、家の初期費用は最低でも500万円は異なりますので、絶対にもとが取れません。例え年間5万円電気代節約できても100年かかりますからね。

結局、ハウスメーカーが年間数十万円の電気代の節約効果があるなどと言っているのは、50年位前の超低性能住宅と比較して、24時間全館空調を両者で実施した時の電気代の差額を言っているのですが、昔の家で、このような24時間全館空調をしてる人なんて皆無ですし、そもそも共働きで家にほとんどいない家庭でかつ、そこまで寒さに弱くないなら、暖房費なんてそんなにかからないわけです。

高気密高断熱住宅で悩んでいる方に是非ともやってほしいのは、現在の年間の冷暖房費にどれくらいかかっているかを計算してみてください。計算方法は簡単で、冷暖房を使っている月の電気代とそれ以外の月の電気代の差額を見れば、凡そ差額の総額が冷暖房費になります。もしオール電化エコキュートなどの電気温水器を使っていると、冬場、その電気代も結構上がりますが、夏場は逆に下がるので相殺すると考えてください。もし賃貸に住んでいる方で、年間の冷暖房費が3万円程度だとしたら、多分標準的な新築に引っ越しても、同じくらいか、賃貸より性能が上がるので下がると思います。広いが性能が良いので。もし賃貸の冷暖房費が10万円とかかかっている家庭ならば、多分冬場に相当使っているので、寒がりか滞在時間が相当長いと判断できるので、高気密高断熱住宅にすると年間5~7万円程度節約できるかもしれません。しかし例え7万円節約できても500万円のもとを取るのに70年はかかります。結局、絶対に家じゅう24時間全館冷暖房をしたいと決意している人以外は高気密高断熱住宅に多額の費用を払う必要はなさそうです。