3節 太陽王説

 なぜ経済が発達するのか?人間は無から有を生み出す事はできない。何かのエネルギーが姿を変え利潤になり,それが発展を促進する。

 前回も説明したように,利潤の源泉は労働力である。では労働力の源泉は何か?人間はエネルギーを労働力に使い利潤を生んでいる。そのエネルギーの源泉は動植物から得ている。動物は植物からエネルギーを得ているので,エネルギーの源泉は植物である。そして植物は光合成からエネルギーを作るので,エネルギーの基は太陽である。

 光合成の目的は酸素を作る事ではない。太陽エネルギーを動植物が使えるエネルギーに変換する事だ。そのために植物は水と二酸化炭素を使って糖という箱物を作り,その中にエネルギーを保存する。その糖を人間が摂取して利潤を生んでいるのである。

 つまり利潤を生んでいるのは太陽であり,人間も植物と同様の変換者に過ぎない。太陽こそ利潤を生み出す影の黒幕なのである。

 決して自分が利潤を生んでいるなど考えないほうがいい。人間はすべて太陽エネルギーを利潤に変える地球という機械の歯車でしかない。

 太陽王という意味が分かる気がする。

 次節は純国内投資の増加と貿易黒字の増加が同時に達成できない理由について述べる。