27節 Second Price Auction

多くのオークションでは,自分が落札した時の落札価格は自分の入札した価格ではなく,2番目に高額の入札をした入札価格になる。なぜこのような方式を取るのだろう?

 前回の説明のように自分の入札価格が落札価格になると,過小に入札額を決める可能性がある。この方式をファーストプライスオークションといい,非効率である。

 上記の方式はセカンドプライスオークションといい,効率的な方法と言える。つまり,自分の見いだす価値の価格をそのまま入札する事が最適な戦略となる。なぜだろうか?

 まず過小に入札した場合,2番目の入札者の価格が変わらない限り,落札できれば落札価格に変化はない。もし2番目の入札者より過小にすると落札できないので損をする。過剰に入札額を上げると,本来の価値よりも低い価格を2番目の入札者が示す限り落札額に変化はない。但し,2番目の入札者があなたの本来の価値より高い価格を入札していたら落札額が価値以上になるので損をする。つまり自分の見いだす価値の価格をそのまま入札する事が最適選択となる。

 本当にほしいものがある場合にセカンドプライスオークションならば,価値通りの価格を入札すればよい。但し,類似の商品が多数出品している時は,個々に参加者が違うので,低い価値を見いだしている人が相対的に多く集まっている商品を見極め,できるだけ安く落札する事を考えるべきである。

 次回は独占企業が存在する理由について説明する。