なぜ近年〇〇工務店が急上昇しているのか?

着工棟数がすごい伸びです。ブログやYouTubeなどでも施主がよく紹介しています。

みなさん、断熱や気密への関心がすごいとのことでしょうか。確かに他の大手ハウスメーカーと比べても性能は頭2つくらい抜きんでていると思います。

冬暖かく、夏涼しい家って憧れますよね。

快適で光熱費も安いとなれば飛びつく理由はないですよ。

今時は共働きも多く、お金に余裕がある人が多いですからね。

つらいところですが、お金に余裕がある=夫婦がフルで働いている場合がほとんど=時間に余裕がない=わかりやすい情報によって、素早く間違いない決断を求めることになる。

この構図をうまく利用して着工数を伸ばしていると思うんですね。

平たく言えば、少し住宅の知識をかじった人が好きな家だと思います。

ほとんど住宅の知識がない人=一生賃貸もしくはローコストもしくは、割が悪いハウスメーカーの建物

断熱・気密、耐震などを多少勉強して分かった気になっている人=〇〇工務店

かなり勉強してしっかり理解している人=中古住宅もしくは、コスパの良い新築

 

かなりざっくり分けたのでご容赦ください。

まず無知な人は、ローコストに飛びつきます。見た目一緒で安いんだからいいじゃんって思ってます。ほぼ間違いなく生涯で見ると,この例では、快適性を犠牲にして安く済ませるか,快適性を求め,最も高い買い物になるかのどちらかです。

快適性を犠牲にすれば、冬寒く、夏暑い家で我慢して過ごし、傷んだボロボロの家に我慢して住み続ければ、生涯の住居コストは最も安くなるでしょう。例え30年後に売っても、ほぼタダ同然でしょう。

家に住み始めると、快適性を求めるものです。もし、夏涼しく、冬暖かい家に住もうと

 

では,〇〇工務店の家はどうでしょうか。

メリットはたくさん調べたら出てきます。

スペックからすると安いのでコスパが良いように見えます。

但しトラブルも多数聞きます。

結局餅は餅屋ということです。

キッチン等の建具や太陽光、床暖房や外壁のタイルなどの非常に高額な商品を自社生産してコストを抑えているから安いんです。

そりゃ同一の商品を大量生産して、他の業者の利益もカットできるから大幅に安くできますよ。これはユニクロにも似ていると思います。但し最大の欠点は、専門性に欠ける点です。

例えばキッチンなら、大手キッチンメーカーのほうが明らかにノウハウはありますし、質の良いものを作っています。

床暖房も専門のメーカーをその商品の開発にかけている時間が違います。

家中の多くのものが自社製品というのは、すべて一定水準以上かもしれないが、個々の建具などの専門メーカーには敵わないということです。

要注意なのは,ここ最近急激に売り上げを伸ばしているところです。

YouTubeなどで出てくる動画も大抵が築5年以内です。

たまに中古で築10年超のものを見ますが、作りが全く違います。

完全に主観的な意見ですが,他の大手ハウスメーカーの家と比べ痛みがひどいものが多い気がします。

築数年でも建具の故障やかびなどのトラブル報告が多数あるようです。

ローコストの作りの家に充実した床暖房などの設備を入れ,断熱材を厚くし、窓の性能を良くしたという感じでしょうか。

よく勉強している人は、中古住宅か本当の高性能住宅のどちらかを選ぶ傾向が強いようです。

家は築10年で一気に価格が下がります。

半額になることも珍しくありません。

新築時に外構込みで土地除いて3000万円の家が10年すれば1500万円になることも多々あります。

もちろん良い家なら60年位は住めますので,3000万円で買って60年住むか,1500万円で買って50年住むか、どっちがいいですか?1年あたりの負担は前者が、50万円,後者が30万円となります。実際は,土地代や固定資産税や修繕費もかかるので、かなりの金額になります。出始めが安ければ、利息も安くなりますよ。

そして質の良い家がローコストの新築より安く買えます。例え年数が経っていても、質の良い家は劣化が遅いので、ローコストより快適に暮らせます。

皆さんも経験がないですか?質の良い服って何回洗っても傷まずに着ることができます。

良いものは何十年も着れます。逆に格安の服って数回来たらゴムが伸びたり,破れたりします。

家も同じで,新築時は見た目同じでも、それぞれの素材が安物だとすぐに傷んできます。

正直築10年のローコストより築20年のハウスメーカーの住宅の方が外装、内容すべてにおいて綺麗でしっかりしている例は多いです。

それならはじめから、新築のローコストより築10年のハウスメーカーの中古買ったほうが賢くないですか?大抵そっちのほうが安いですし。

確かに断熱性能は例えローコストであっても築10年の中古より高い場合があります。

但し、新築時の断熱性能もずっと維持できるわけではなく大抵劣化します。

壁の間に充填されている断熱材もずり下がったりかびたりすれば、性能は一気に落ちます。

 

断熱性能は30~50年性能を維持しないと意味がないです。

例え高性能にして年間10万円安くなっても,建築費が300万円上がれば,取り戻すのに30年かかります。作りがしっかりしていれば、断熱性能も維持するので、30年経っても、同じように光熱費削減効果が見込めます。これがもし、ローコストで作りが雑な工務店

断熱にこだわって作ったら、最初の10年ほどは光熱費削減できるが、10年過ぎたころから結露等で、断熱材が痛み、隙間ができて、断熱性能が落ち、光熱費が高くなることもありえます。

もし、高断熱にするなら初期費用が高くても、しっかり作ってくれるところで高断熱にすべきです。

かびが生えたりするようでは、家の性能を維持できるか疑問です。

やはりお金がかかっても,家の各部位を専門業者に作ってもらうのが一番です。他のハウスメーカーや一部工務店は家の躯体を作ることに関してはプロで,独自の工法で箱を作り,そこに専門のメーカーのキッチンやフロやトイレなどを設置していくかたちになります。

〇〇工務店ですと,この設備の多くも自社で開発しているため,どうしてもプロの業者に比べると作りが甘いと思われます。現に設備の不具合の割合が明らかに高いと思われるブログや記事が多いです。

標準仕様が充実して、その割には安いという話を良く聞きますが,何が安いのか考える必要があります。

 

もちろん同じ装備を他社ですべてつけたら高くなるのかもしれないですが、〇〇工務店も一般的に土地除いた総額で3000万円くらいは必要です。

ローコストと比べたら明らかに高いです。では床暖房などの設備をすべて除いたときの建物代が原価で実際いくらかかっているのかどのように調べれば良いでしょうか。

ランチメニューでセットランチがあるとして、個々で頼んだら2000円するところ,800円で食べられると聞いたらお得感ありますよね?

でもランチセットに嫌いなサラダが入っていたり、もっと飲みたいドリンクが入っていたらどうでしょう。また見た目同じでもランチセットのメイン料理の肉は古いものかもしれません。大抵ランチセットは,昨夜のディナーの残り物を処理することもあります。

見た目同じでも中身は全く違うかもしれません。お得と言っているのはお店側で,原価の設定は店側でいくらでも操作できます。

自炊する人ならわかりますが、鶏のから揚げ1つ取っても、ブラジル産の肉を使い、中国産の格安小麦粉、最安値の醤油などの調味料を使えば、原価は50円でも作れます。

またこだわって国産の有名な鶏を使って、高級な小麦粉、調味料も有機の昔ながらの製法で発酵させた醤油などを使い,にんにくなどもチューブではなく、国産のすりおろしを使えば、見た目が全く同じから揚げができあがるとしても、原価は500円かかることもあります。

両者は見た目同じでも全く別物です。味が例え同じと感じる人が多くても、グルメにとっては原価50円のから揚げはまずく感じるでしょう。また、後々の健康にも大きく異なる影響を及ぼします。というより、健康を気にする人は原材料などにこだわるので安いから揚げがあれば、まず疑って食べないと思います。

食の知識があれば、物の金額を見ただけで凡そ原材料の検討がつきます。

そして、高いから揚げは、しっかり原材料の説明などがあるので、嘘がなければ、高くてもそっちを選ぶ人もいます。

このぐらいわかりやすい選択なら良いのですが、こと住宅に関しては、素人では理解することが難しすぎます。

例えば、耐震性能や断熱性能などは数値化されているので、比較が簡単であり、判断しやすいのですが、どっちも人間の感覚と数字が一致しているかは分かりません。実際に地震が起きてみないと、耐震性能は確認できません。そもそも地盤が弱ければ、建物がどんなに強固でもダメかもしれないし、1つとして同じ建物がないため、大工さんが手抜きをしていれば、個々の建物の中には耐震性がないものもあるはずです。もちろん検査の時に基準はクリアしているでしょうが目に見えない不出来については確証が持てません。

また断熱性能についても使っている部材の種類や厚みなどによって自動的にUa値などの断熱性能を示す数字が出ますが、目に見えない快適性などは考慮されません。

例えば、窓についてもトリプルガラスのダブルLowEにすれば、かなり断熱性は高いですが、冬の日差しの量はかなり制限され、暗いですし、日向ぼっこしても気持ちよくないです。

断熱性は高いのでエアコンや床暖房で十分あったかいですが、同じ暖かさでもお日さま浴びたい時ってあるじゃないですか?

また、夏も断熱性能高ければ窓開けなくてよいです。でも例えばセミの鳴き声聞いたり、外との繋がり感じたい時ってないですか?

壁の中に分厚い断熱材仕込めば、熱は逃げないですが、春とか秋は逆に室内が暑くなります。

この季節も冷房つけていたら逆に電気代かかっちゃうのでマイナスですよね。

また、施工がダメだと、断熱材がずれたり、内部結露でかびったりするリスクもあります。

このような事態になると、性能がガタ落ちです。

では間違いなく良い家を手に入れる方法はなんでしょうか。それは、1つ1つの素材にこだわり、信用できる大工さんや業者に建ててもらうことです。そして適正な金額を支払うことです。

同じ品質で明らかに安いということはこの世の中に存在しません。

安いには安いなりの理由があります。

もし全く同じ性能の家が安く手に入ったというなら、何か安くなる理由が隠れていて、それを理解できていないだけです。

 

一番分かりやすいのは,実績を見ることです。築10年~20年位の物件を比較してみてください。

ネットなどで画像も調べられます。

傷み具合や金額などを見てみましょう。

本当は内見して匂いや細かいかびや痛みなども見えるのが一番良いのですが、中々難しいと思います。

新築時は同じに見えても,長年の雨風や経年劣化によって、素材の質が浮き出てきます。

築10年でも新築のように綺麗な家もあれば、築3年で古く見える家もあります。

もちろん住んでいる人の管理方法の差もありますが、家自体の作りの違いが大きいです。

家は服や食品に似ており,見た目では良し悪しが全く分かりません。

しっかり勉強して、自分で各部材を取捨選択できるくらいのレベルは必要です。